遅延型フードアレルギー検査とは? 〜見過ごされがちな不調の原因を探る〜

検査結果の一例

① 遅延型フードアレルギーとは?速攻型との違い


皆さんは遅延型フードアレルギー検査をご存知ですか?

「アレルギー検査」と聞くと、花粉症や食物アレルギーなどの即時型アレルギー(IgE抗体)の検査をイメージする方が多いでしょう。しかし、私たちの体調不良の原因は、すぐに症状が出ないタイプのアレルギーが隠れているかもしれません。

✅ 即時型アレルギー(IgE抗体)

• 症状がすぐに出る(数分〜数時間以内)

• 例)花粉症、蕎麦アレルギー、エビ・カニアレルギーなど

• 一般的なアレルギー検査(病院で受ける血液検査)で測定可能


✅ 遅延型フードアレルギー(IgG抗体)

• 数時間〜数日後に症状が出る(特定が難しい)

• 例)疲れやすい、頭がぼんやりする、消化不良、肌荒れなど

• 一般的な病院のアレルギー検査では測定しない


この遅延型アレルギーについては、前回の記事で紹介した内田葉子さんの著書『お腹のカビが病気の原因だった』でも言及されています。

私自身もこの検査を受けてみたので、体験談とともに紹介していきます。


② 遅延型アレルギーの仕組みと注意点


私たちの免疫システムは、本来「ウイルスや細菌などの外敵」を攻撃するものですが、遅延型フードアレルギーでは、一部の食品が”異物”とみなされ、免疫反応が過剰に働いてしまうことが特徴です。

その結果、次のような慢性的な不調を引き起こす可能性があります。

✅ 腸内環境の悪化 → 腸の炎症や腸内細菌バランスの乱れ

✅ ミネラル不足 → 亜鉛や鉄などの栄養素の吸収が阻害される

✅ 免疫トラブル → 頭痛やアレルギー症状(花粉症の悪化など)

✅ 慢性疲労 → 疲れやすい・集中力が低下する

✅ 低血糖症状 → 甘いものがやめられない


しかし、日本アレルギー学会では「遅延型アレルギー検査の有用性は推奨しない」と発表しているため、一般的には馴染みがありません。これは、食品特異的IgG抗体が健康な人にも検出されることがあり、症状との因果関係の解釈が難しいためです。


そのため、この検査を受ける際は「科学的なエビデンスが十分ではないことを理解した上で、あくまで参考情報として活用する」ことが大切です。



③ 私の体験談:検査結果と食生活の変化


私がこの検査を受けたのは、慢性的な疲労感・消化不良・頭痛が気になっていたためです。

結果として、カゼイン(乳製品)・牛乳・卵などに反応がありました。

そこで、これらの乳製品を検査後に控えてみたところ、長年悩んでいた便秘やお腹の調子が著しく改善!

今までの不調の原因が、自分の大好きな食べ物だったとは思いもしませんでした…。

実際に試してみたことで、「体に良いと言われる食品が、必ずしも自分に合うとは限らない」と実感しました。


④ まとめ:自分の体感を大切にすることも重要


遅延型フードアレルギー検査については、科学的なエビデンスが不十分な点もあり、学会では推奨されていません。

しかし、私は「科学的なエビデンスも大切ですが、自分の体で感じること、自分の体感を重要視しています」。

今回の検査をきっかけに食生活を見直したことで体調が良くなったのは事実です。体に良いものを摂る「足し算」の健康法だけでなく、自分に合わないものを控える「引き算」の視点も大切だと実感しました。

食べ物は「薬」にも「毒」にもなるもの。自分の体と対話しながら、今の自分に最適な食生活を見つけることが健康への近道かもしれません。


なお、遅延型フードアレルギー検査は保険適用外で、1回40,000円ほどとやや高額になります。

興味のある方は、取り扱いのあるクリニックにご相談の上、一度試してみるのも良いかもしれません。

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本記事の情報は一般的な知識の提供を目的としており、医学的アドバイスに代わるものではありません。

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