遺伝子は「掃除」できる?
〜汚れやすい遺伝子とその対策〜
こんにちは、AKIです。
私たちの体質や不調の原因は、「遺伝だから仕方ない」と思われがちです。でも、遺伝子は変えられないけれど、その「働き」は変えられるということをご存知でしょうか?
実は、遺伝子はストレスや食生活、睡眠不足などによって“汚れた”状態になり、本来の働きがうまくいかなくなることがあります。これは、自然療法医ベン・リンチ博士が著書『Dirty Genes』で提唱している考え方です。
今回は、その中でも特に注目したい4つの遺伝子について解説します。
それぞれの遺伝子が「どんな働きをしていて」「どうして汚れるのか」「きれいにするにはどうしたらいいか」も含めて紹介します。
① DAO遺伝子 〜ヒスタミンを分解する酵素〜
DAO(ジアミンオキシダーゼ)は、小腸や大腸の粘膜細胞で働き、食事から摂取されたヒスタミンを分解する酵素です。
汚れる原因
• アルコールや加工食品の摂取
• 発酵食品や熟成チーズ、赤ワインなどのヒスタミンを多く含む食品
• 腸内環境の悪化(リーキーガット)
• DAOの働きを阻害する薬やストレス
きれいにするには
• 食事の見直し(ヒスタミンを多く含む食品を控える)
• ビタミンB6やビタミンCなどの栄養サポート
• DAO酵素を含むサプリメントの活用
• 腸内環境の改善(発酵食品や水溶性食物繊維)
② HNMT遺伝子 〜脳内のヒスタミンバランスを整える〜
HNMT(ヒスタミン-N-メチルトランスフェラーゼ)は、中枢神経におけるヒスタミンの分解酵素です。
精神の安定や睡眠、集中力にも関わる重要な遺伝子です。
汚れる原因
• 慢性的なストレス
• 睡眠不足や生活の乱れ
• 葉酸・ビタミンB6・B12などの不足(メチル化の材料)
• メチル基の供給不足(メチオニン、コリン不足)
きれいにするには
• メチル基を補う栄養(メチオニン・コリン・葉酸・ビタミンB群)
• ストレスケア(副交感神経を意識した呼吸や軽い運動)
• 適度な運動とリズムある生活
③ MTHFR遺伝子 〜葉酸代謝とメチル化のカギ〜
MTHFR(メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素)は、葉酸の代謝とメチル化反応に関与する酵素で、DNA修復・神経伝達物質の合成・解毒反応にも関わります。
汚れる原因
• 葉酸やビタミンB群の不足
• 睡眠不足・過剰なストレス
• 加工食品の摂取や血糖値の乱れ
• 飽和脂肪酸やトランス脂肪酸の多い食事
きれいにするには
• メチル化された葉酸(5-MTHF)を含むサプリを活用
• ビタミンB6・B12・マグネシウムの補給
• 十分な睡眠とストレス対策
④ COMT遺伝子 〜興奮ホルモンの調整役〜
COMT(カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ)は、ドーパミンやアドレナリンなどの興奮性ホルモンを分解する酵素です。
メンタルの安定やストレス耐性に大きく関与しています。
汚れる原因
• 慢性的なストレス
• カフェインの摂りすぎ(代謝が遅れて興奮が長続き)
• メチル基の不足
• 栄養バランスの偏り(タンパク質不足、野菜不足)
きれいにするには
• 良質なタンパク質・ビタミン・ミネラルを意識した食事
• メチル基供給源(メチオニン・コリン)を補給
• カフェイン摂取量を見直す
• ストレス管理とリラックス習慣(呼吸・瞑想・ピラティスなど)
遺伝子は“掃除”できる。だからこそ、今日からできることを
今回ご紹介したように、遺伝子は「生まれつき決まったもの」ではなく、日々の生活習慣や環境によって汚れたりきれいになったりするものです。
自分の体質や不調の原因が、実は“遺伝子の汚れ”だったというケースも少なくありません。
でも、それを変える鍵は 毎日の小さな習慣にあります。
以下は、遺伝子を「クリーン」に保つための5つのアプローチです。
遺伝子をきれいにアップデートする5つのポイント
1. 栄養バランスの最適化
- タンパク質・ビタミン・ミネラルなど、遺伝子が働くための材料をしっかり摂る
2. 腸内環境を整える
- 発酵食品や食物繊維を意識し、腸内細菌と共生する体をつくる
3. ストレスマネジメント
- 呼吸、自然との触れ合い、趣味、休息などで、交感神経の過剰な緊張をほぐす
4. 有害物質のデトックス
- 添加物・農薬・重金属などの排出を意識し、肝臓の働きをサポートする
5. 良質な睡眠と休養
- 修復・再生のスイッチが入る「睡眠の質」を高める
小さな選択の積み重ねが、未来の自分の体質や気分、健康をつくっていきます。
「自分の遺伝子をきれいに整える」
そんな意識をもつことが、アンチエイジングや根本的な体質改善の第一歩になるかもしれません。
ぜひ、今日からできることを少しずつ始めてみてください。
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医療免責事項
本記事の情報は一般的な知識の提供を目的としており、医学的アドバイスに代わるものではありません。
栄養に関する対策について不安や疑問がある場合は、必ず医師や専門家にご相談ください。