コレステロールについて

〜HDL・LDLのバランスと酸化対策が鍵〜

こんにちは、AKIです。

健康診断の項目でもよく目にする「コレステロール」。

皆さんの中には、「LDL=悪玉」「HDL=善玉」というイメージを持っている方も多いかもしれません。

ですが、コレステロールは悪者ではなく、私たちの体にとって不可欠な存在。

大切なのは「数」ではなく「バランス」なのです。

今回は、コレステロールの基礎知識から、HDL・LDL(善玉・悪玉)の関係性、コレステロールが不足した場合のリスク、そして酸化を防ぐ生活習慣についてご紹介します。


① コレステロールの基本とは?

コレステロールは、脂質の一種で、細胞膜の材料、ホルモンの合成、胆汁酸やビタミンDの材料として重要な役割を担っています。

• 細胞膜の主要な構成成分

 → 細胞の柔軟性と安定性を保つ役割があります。

• ホルモンの材料

 → テストステロン、エストロゲン、副腎皮質ホルモンなど、命に関わるホルモンはコレステロールから作られます。

• 胆汁酸の材料

 → 脂肪の消化に必要な胆汁酸は、コレステロールから肝臓で合成されます。

• ビタミンDの前駆体

 → 皮膚で紫外線を浴びたとき、コレステロールからビタミンDが合成されます。

また、体内のコレステロールは約20%が食事由来、80%は肝臓で合成されているため、単に食事制限をするだけでなく、代謝のバランスを整えることも大切です。

➡ つまり、コレステロールはただの「脂」ではなく、生命活動の要とも言える存在なのです。


② HDLとLDLの役割と “トラック”のような働き

コレステロールは血液中を単独で移動できないため、リポタンパクという「運搬役」に乗って全身を移動します。その主役が LDL(悪玉)とHDL(善玉)です。

• LDLコレステロール(Low Density Lipoprotein)= 配送トラック 

 → 肝臓から全身の細胞へコレステロールを運ぶ役割。

 → しかし、行き先が多すぎると道路(血管)に渋滞を引き起こし、蓄積してしまう。

• HDLコレステロール(High Density Lipoprotein)= 回収トラック

 → 使い終わったコレステロールを回収して、肝臓へ戻す。

 → 血管をクリーンに保つ清掃車のような役割も。


➡ 重要なのは「量」よりも「循環の流れ」。配送と回収のバランスが取れていれば、血管も体調も安定しやすくなります。



③ コレステロールが不足すると?


コレステロールは多すぎても問題ですが、不足しても健康に影響が出ます。

• ホルモンバランスの乱れ

 → 性ホルモンが減少し、更年期障害のような症状を招くことも。

• 免疫力の低下

 → 細胞膜が不安定になると、ウイルスや細菌へのバリア力が落ちやすくなります。

• うつ・不安の増加

 → セロトニンなど神経伝達物質の材料にも関与しているため、メンタルにも影響が。

• ビタミンD不足

 → コレステロールが材料になるため、不足すると骨や免疫機能にも悪影響。

➡「悪者扱い」せずに、適切な量と循環が大切です。




④ LDLが過剰になると… 〜酸化ストレスとの関係〜


LDLは運搬役として必要ですが、過剰になると血中に長く留まり「酸化」されるリスクが高まります。

• 酸化LDLは、免疫系に“異物”と認識され、血管内で炎症や動脈硬化の引き金に。

• 動脈の内側にプラークができ、詰まりやすくなる

➡ ここで大事なのは、「酸化させないこと」=抗酸化対策。

酸化LDLを防ぐための対策

• ポリフェノール(緑茶・ブルーベリー)

• ビタミンC・E(野菜・果物・ナッツ)

• オメガ3脂肪酸(青魚・亜麻仁油)

➡ LDLを“減らす”のではなく、酸化させない生活習慣がアンチエイジングの鍵!



⑤ 胆汁酸とコレステロール 〜デトックスとの関係〜


胆汁酸はコレステロールから作られ、脂肪の消化に使われた後、小腸で再吸収される「腸肝循環」という仕組みがあります。

ただし、胆汁の流れが悪いと、コレステロールが再吸収されやすくなり、体外に排出されにくくなります。

• 食物繊維(特に水溶性)

→ 胆汁酸とコレステロールの排出を促進

• 肝臓の機能を整える食材

→ 杜仲茶、まいたけ、オリーブオイル など


➡ 胆汁の流れを良くすることで、コレステロールの自然な循環と排出がスムーズになります。


まとめ:流れとバランスが整うと、体の内側から美しく

コレステロールは「悪玉・善玉」とラベリングされがちですが、本質的には生命活動に不可欠な栄養素です。

大切なのは、“数”ではなく 「流れとバランス」。

そしてこの循環を支えるのが、

• 腸内環境

• 抗酸化ケア

• 肝臓機能のサポート

• 胆汁の流れ

これらを整えることで、コレステロールの代謝・排出がスムーズになり、体内の脂質バランスも整いやすくなります。

【参考】日本動脈硬化学会が推奨するコレステロール値(2022年版)

■ 総コレステロール:150〜199 mg/dL

■ LDLコレステロール(悪玉):120 mg/dL 未満

■ HDLコレステロール(善玉):40 mg/dL 以上

■ 中性脂肪(トリグリセリド):150 mg/dL 未満

※個人の体質や既往歴により、目標値は異なる場合があります。定期的な検査と医師の判断が大切です。

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