グルテンとは?
~あなたの体に合う食事とは?~
今回は、皆さんが大好きなパンやパスタに含まれるグルテンについてのお話です。
私も以前は、パンやパスタなどの小麦製品が大好きでした。しかし、腸の調子を整えるためにグルテンについて学び、グルテンフリーを試してみたところ、体調が良くなった経験があります。
とはいえ、グルテンフリーを完全に徹底するのは難しいと感じています。
なぜなら、グルテンは主食だけでなく、醤油や調味料など、意外な食品にも多く含まれているからです。そのため、現在はなるべく控えつつ、食べたいときは楽しむというスタンスで取り入れています。
例えば、おいしそうに娘が食べているパンをひと口もらうこともありますし、外食時にグルテンを完全に避けるのは難しいこともあります。
グルテンに対する耐性には個人差があるため、深刻な不調がない場合は、無理のない範囲で摂取量を調整しながら、グルテンと上手に付き合っていけば良いのではないかと思っています。
今回の記事では、グルテンの特徴や腸への影響、体調管理のための工夫について詳しく解説していきます。
① グルテンとは?
グルテンは、小麦・大麦・ライ麦などに含まれるタンパク質の一種で、パンやパスタなどのモチモチとした食感を生み出す重要な成分です。
しかし、腸のバリア機能に影響を与えたり、免疫システムを刺激したりする可能性があることが指摘されています。
② 小麦の種類と現代の小麦が与える影響
小麦には、伝統的な小麦(古代小麦)と、大量生産のために品種改良された現代小麦があります。
✅ 伝統的な小麦(古代小麦)
• スペルト小麦・カムット小麦・エンマー小麦などが代表的
• マグネシウムやカリウムなどのミネラルが豊富
• 遺伝子の構造がシンプルで、Dゲノムを持たず、グルテン含有量が少ない
• 体への負担が比較的少なく、消化しやすいとされる
✅ 現代の小麦
• 収穫量を増やすためにグルテン含有量が増え、パンや麺の加工に適した品種へと改良
• 消化しづらく、腸のバリア機能を乱す可能性がある
Dゲノムとは?
小麦の遺伝子の構成要素の1つであり、消化しにくさやアレルギー反応に関与すると考えられています。
伝統的な小麦にはこのDゲノムが少ないため、グルテンの影響が軽減される可能性があります。
③ リーキーガット(腸もれ)とグルテンの関係
🔹 リーキーガット(腸もれ)とは?
• 腸のバリア機能が損なわれ、腸壁に「隙間」ができる状態を指します。
• その結果、未消化の食べ物や細菌、毒素が血流に侵入し、免疫システムがこれを「異物」として認識して攻撃を開始。
• つまり、腸のバリア機能が低下することで、全身に慢性炎症を引き起こす可能性があるのです。
🔹 グルテンがリーキーガットを引き起こすメカニズム
グルテンに含まれる「グリアジン」という成分が、腸のバリア機能に影響を与えることが知られています。
1. グリアジンが腸内に侵入
2. それに反応し、ゾヌリンという物質が分泌される
3. ゾヌリンの働きで、腸壁のタイトジャンクション(細胞同士の結びつき)が緩み、バリア機能が低下
4. 未消化の食べ物・細菌・毒素が血流に侵入し、免疫システムが攻撃を開始
5. 慢性的な炎症が起こり、自己免疫疾患や慢性疲労などの症状を引き起こす
🔹 リーキーガットがもたらす症状
✅ 消化不良・腹部膨満感
✅ 慢性的な疲労感
✅ 頭痛・集中力の低下(ブレインフォグ)
✅ 肌荒れ・アレルギー反応
✅ 自己免疫疾患のリスク増加
④ グルテン耐性の個人差と注意すべきポイント
グルテンに対する影響は個人差があり、大きく分けて以下の3タイプに分類できます。
1. セリアック病(自己免疫反応)
→ グルテンが自己免疫の異常を引き起こし、小腸の粘膜を損傷する病気。
2. グルテン過敏症(非セリアック性グルテン感受性)
→ セリアック病ではないが、消化不良や体調不良を引き起こす人。
3. グルテン耐性がある人
→ グルテンを摂取しても、特に問題がない人。
そのため、グルテンフリーが全員に必要というわけではありません。
「体調が悪いときにグルテンを控えてみる」というアプローチが有効かもしれません。
⑤ グルテンの影響を和らげる方法
✅ 消化酵素サプリメント(DPP-Ⅳを含むもの)を活用
✅ 腸内環境を整える(水溶性食物繊維・発酵食品)
✅ グルテンを減らすための代替食品
グルテンフリーの食事を取り入れたいときに役立つ、小麦の代わりになる食材を紹介します。
・米粉(グルテンフリーで料理しやすい)
・そば粉(たんぱく質・ミネラルが豊富)
・アーモンド粉(栄養価が高く、低糖質)
・ココナッツ粉(食物繊維が豊富で血糖値が上がりにくい)
まとめ
グルテンは、現代の食生活で多くの人が日常的に摂取している成分ですが、腸に影響を与えやすく、人によってはリーキーガット症候群を引き起こす可能性があります。
また、現代の小麦は品種改良によってグルテン含有量が増え、消化しづらくなっているため、グルテンに敏感な方は特に注意が必要です。
とはいえ、グルテンを完全に排除するのは難しいため、代替食品を活用したり、腸内環境を整えたりしながら、無理のない範囲で付き合っていくことが大切です。
自分の体と向き合いながら、心地よい食生活を見つけていきましょう!
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⚠ 医療免責事項
本記事は一般的な知識の提供を目的としており、医学的アドバイスに代わるものではありません。
グルテンの摂取や食事制限について不安や疑問がある場合は、必ず医師や栄養士にご相談ください。