【書籍紹介】お腹のカビが病気の原因だった? 腸内カビと健康の関係
デトックスについて以前お話ししましたが、体にとっての有害物質は重金属だけではありません。
「疲れやすい」「頭がぼんやりする」「甘いものがやめられない」…そんな不調の原因、実は腸のカビかもしれません。
特に、日本の高温多湿な環境は、腸内のカビ(真菌)が繁殖しやすい条件がそろっています。
今回は、内田葉子さんの著書 「お腹のカビが病気の原因だった」 をもとに、腸のカビと健康の関係について解説していきます。
① 腸のカビ(カンジダ菌)とは?
腸内にはさまざまな微生物が生息していますが、その中には「腸のカビ」と呼ばれる真菌(カビの一種)が存在します。
カビは通常、腸内の他の微生物とバランスを取りながら共存していますが、特定の条件下で異常に増殖すると、体に悪影響を及ぼすことがあります。
代表的な腸のカビの一つが、カンジダ菌です。
カンジダ菌の特徴
✅ 健康な腸内にも存在するが、増えすぎると問題を引き起こす
✅ 甘いものや炭水化物をエサに増殖しやすい
✅ 抗生物質の使用後に異常増殖しやすい
✅ 腸のバリア機能を弱め、腸内環境を悪化させることがある
医学的根拠
• 米国立衛生研究所(NIH)の研究によると、健康な成人の約70%の腸内にカンジダ菌が存在しており、通常は無害ですが、免疫機能の低下や抗生物質の使用により過剰増殖することがあります¹。
¹ Smith et al. (2018). Candida albicans and gut microbiome interactions. NIH Research Journal.
② 腸のカビが引き起こす可能性のある症状
カビは、体内でさまざまな有害物質を生産し、腸の炎症や免疫トラブルを引き起こす可能性があります。
✅ 多くの有害物質を作る
カビが作る有害物質には、シュウ酸・酒石酸・アセトアルデヒド などがあり、肝臓への負担を増やします。
✅ 甘いものがやめられなくなる
カンジダ菌は糖をエサにするため、低血糖を引き起こし、さらに糖分を欲する悪循環を生み出します。
✅ 免疫トラブルを招く
カビの産生する毒素が腸のバリア機能を低下させ、免疫システムを混乱させるため、アレルギーや自己免疫疾患の原因になる可能性があります。
✅ 腸の炎症や腸内細菌バランスの乱れを招く
腸のカビが異常増殖すると、腸内の善玉菌が減少し、腸の炎症が進行することがあります。
✅ 病院では異常なしと言われる可能性がある
血液検査ではカビの影響が直接数値に現れないため、体調不良の原因が特定されにくく、「異常なし」と診断されることもあります。
✅ ミネラル不足を招きやすい
腸のカビが増えると、亜鉛やマグネシウムなどのミネラルの吸収が妨げられることがあります。
③ 腸のカビ対策 - 食生活の改善ポイント
✅ 甘いものを控える
カビは糖をエサに増殖するため、糖質を控えることが重要。
✅ 質の良いタンパク質を選ぶ
ホルモン剤・抗生物質・遺伝子組み換え飼料で育った動物の肉は、人が食べることによってその人の腸内環境に悪影響を及ぼす可能性がある。
オーガニックやグラスフェッドの肉・魚・卵を選ぶのが理想的。
✅ 新鮮な無農薬の野菜を摂る
農薬が腸内細菌に影響を与えることもあるため、できるだけオーガニックや地元の無農薬野菜を選ぶのが理想的。
✅ カビの生じやすい食品を避ける
トウモロコシ、コーヒー、小麦、大麦、ナッツ類 は、カビが発生しやすい。
輸入食品はコンテナ輸送中にカビが繁殖しやすいため、なるべく国産品を選ぶのがおすすめ。
✅ 【腸内環境改善期の注意点】
発酵食品の摂取を一時的に調整する
一部の発酵食品は、腸内環境が悪い状態ではカビの増殖を助けてしまうことがある。
腸の状態が改善するまで一時的に控え、腸が整ってから少しずつ取り入れるのが良い。
不調を感じている方は、以下の発酵食品に気をつけたほうがいいかもしれません
• 酵母を使用したパン類(特にイースト菌が多いもの)
• ブルーチーズなどのカビ付け発酵食品
• アルコール飲料(特に糖分の多いもの)
• 米麹や麦麹を使った甘酒(糖分が多いため)
④ 本の紹介
今回の記事では、食生活を中心に腸のカビ対策をお伝えしました。
しかし、本書では 住環境などについても詳しく解説されており、生活全般でカビを避ける方法や、実際の症例も多数掲載されています。
デトックスや腸活に興味がある方には、非常に参考になる本だと思いますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
📖 書籍情報