花粉症対策と予防(前編)~メカニズムと免疫の関係~

当スタジオにお越しのお客様の中にも、花粉症にお悩みの方が多くいらっしゃいます。

花粉症の症状は、免疫システムが過剰に反応することで引き起こされますが、最近では腸内環境との関係にも注目が集まっています。

今回は、花粉症の仕組みや免疫の働きを前編で解説し、後編では対策についてお話しします。


① 花粉症はなぜ起こるのか?


✅ 免疫システムの誤作動

• 免疫システムは本来、ウイルスや細菌などの外敵から体を守る役割を持つ

• 花粉症は、花粉を「有害な異物」と誤認識し、過剰な免疫反応を起こすことで症状が現れる

• アレルギー反応に関与するIgE抗体が花粉に対して過剰に作られることが原因


② 免疫の仕組みと花粉症の関係


✅ 免疫システムには概日リズム(体内時計)がある

• 免疫は1日を通じて働き方を変えており、夜は修復モードに入る

• 昼間はウイルスや細菌を防ぐパトロール機能が働き、外部からの脅威に備える

• つまり、質の良い睡眠を取ることで、免疫システムが正常に働き、アレルギー反応が抑えられる可能性がある

✅ 自然免疫と獲得免疫

私たちの免疫は大きく分けて2つのシステムを持っています。

1. 自然免疫(生まれつき備わっている防御機能)

• 体内に侵入した異物を、即座に排除する仕組み

• 例:皮膚・粘膜のバリア、白血球の働き、胃酸の殺菌作用

2. 獲得免疫(後天的に学習し、強化される免疫)

• 一度侵入した異物(細菌・ウイルス)を記憶し、次に入ってきたときに素早く攻撃する

• 例:ワクチン接種で得られる免疫、IgE抗体によるアレルギー反応

花粉症は、この「獲得免疫」が過剰に働くことで引き起こされると言われています。

✅ 免疫の防御システム

私たちの体は、異物(花粉や細菌など)の侵入を防ぐために、いくつかの防御システムを持っています。

物理的防御(外部からの侵入を防ぐ)

• 皮膚(異物の侵入を防ぐバリア)

• 咳・くしゃみ(異物を外に押し出す)

• 鼻毛・繊毛(花粉やホコリをキャッチし、排出する)

化学的防御(異物を分解・無害化する)

• リゾチーム(涙や唾液に含まれ、細菌を分解する)

• 胃酸(口から入った細菌や異物を殺菌する)

*胃酸に関するブログ記事はこちら


③ 腸内環境と花粉症の深い関係

✅ 「腸は第2の脳」と呼ばれ、免疫機能の70%が腸に存在

• 腸内細菌が免疫バランスを調整し、アレルギー反応を抑制する働きを持つ

• 腸内環境が悪化すると、免疫が過剰反応しやすくなり、花粉症が悪化する

✅ 腸内細菌の働きと免疫調整

• 善玉菌は免疫システムの調整役として機能し、特にビフィズス菌は腸内の炎症を抑える作用がある

• 腸内の短鎖脂肪酸(酪酸・プロピオン酸・酢酸)は、炎症を抑える働きを持つことが近年の研究で判明

• 腸内環境が整うことで、アレルギー症状の軽減につながる可能性がある


✅ 腸内環境を悪化させる要因

• 食物繊維不足(野菜・発酵食品の摂取不足)

• 抗生物質の乱用(腸内細菌のバランスを崩す)

• ストレス(自律神経が乱れ、腸の働きが低下)


④ 長女がハマっています

最近、長女と一緒に『はたらく細胞』というアニメを見ています。このアニメでは、免疫細胞たちが擬人化されて体内で働いている様子が描かれていて、免疫の仕組みがとても分かりやすく学べます。

第1期の5話「スギ花粉アレルギー」では、花粉が体内に入ったときの免疫細胞の反応が描かれていて、まさに上記で説明したメカニズムをビジュアル化しています。

長女には、今から「からだのこと」に自然と興味を持ってもらえるように、一緒に楽しみながら学んでいます(笑)。

次回は、具体的な対策方法などを紹介します!

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  ⚠️ 本記事の情報は一般的な知識の提供を目的としており、医学的アドバイスに代わるものではありません。

  

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